- 2023年7月27日
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第12話 イエナプラン、原体験を掴む<後半>(リレーエッセイ)
りょうた君との「特別」な時間 ある日の個別の時間。彼は、いつものように間違いのカードをわざと取り(つまり、私は遊ばれている)、ビー玉で少しだけ遊びながら10までの数を数えさせられ、5秒でお絵描きを終えた。(またか…)ため息がこぼれた。が、これで終わっていては、ただただお互いに不幸なだけである。だから、彼は目の前の新米教師(というより、お兄さん?)がこの時間を扱いかねていることを察してか、興味のな […]
りょうた君との「特別」な時間 ある日の個別の時間。彼は、いつものように間違いのカードをわざと取り(つまり、私は遊ばれている)、ビー玉で少しだけ遊びながら10までの数を数えさせられ、5秒でお絵描きを終えた。(またか…)ため息がこぼれた。が、これで終わっていては、ただただお互いに不幸なだけである。だから、彼は目の前の新米教師(というより、お兄さん?)がこの時間を扱いかねていることを察してか、興味のな […]
「共に生きることを学ぶ」からたくさんの気づきが 今年度後期のイエナプランを学ぶオンライン講座『基礎編』は、9月22日よりスタートします。昨年度受講された北村さんの体験談をご紹介いたしますので、お申し込みの参考にしてください。 私が家ですぐに実践できたイエナプラン 基礎編を受講し、イエナプランでは、教室をリビングルームのような場にする工夫がされていると知りました。共働きで仕事優先、家は眠りに帰る […]
特別支援学校 大学を卒業した次の年度、私は特別支援学校で講師として働いていた。将来的には小学校の教員として働くと決めていたが、その前に、通常の学校ならどのクラスにも必ずいるという障害を持つ子どもたちと一度深く関わってみよう、と思ってこの場所を選んだのだ。だが、特別支援学校に通っている子どもたちが、何から何まで「普通」とは違う子たちばかりだということを、実際に学校に赴任する前の私はよくわかっていな […]
「ストライキに出たあと一緒に美術館に行かない?」と誘われた。5年前のオランダ留学中、当時見学に行っていた小学校の先生に、「休日にランチしに行かない?」と言うような気軽さで。 その時私は、フローニンゲンというオランダの町でホームステイしながら小学校の授業を見学させて頂いていた。私は3〜4歳クラス担当のヨカ先生(イエナプラン校で10数年教えているベテランの方で、大学院の修士で美術専攻)の教室で過ごし […]
私のオランダとの出会いは、夫の海外赴任に帯同したことがきっかけでした。 その時は、まだイエナプランも全く知らず住みやすい国だということを少し見聞きしていた程度でした。生活にも慣れてきた頃、オランダの子どもの幸福度が高いことを知り、その理由について知りたいという思いが芽生えるようになりました。インターネットを検索する中でイエナプラン教育について知り、そこでリヒテルズさんに連絡を取り、8月の1週間研 […]
教員として教室の子どもたちを相手に仕事をしていると、毎日、数知れない決断を迫られる。ありとあらゆることが起きているのを(ときには見て見ぬ振りをしながら横目で)認めながら、さて、これにどう応じるべきだろうか、と始終判断し続けなければならない。 ここでいう「応じる」とは、大抵は注意することだったり、アドバイスすることだったり、校則を思い出させて、それを守らなければどうなるかを説明することだったりとい […]
いきなりですが、質問です。 上手くいかなかった授業をした後、その授業に対するフィードバックを同僚などからもらう場面で、言われそうなこととして想像するのはどんなことですか?(授業をしないお仕事であれば、ご自身の仕事の場で、何か実践が上手くいかなかった場合のことを想像してみてください)言われる直前の数秒間をどんな気持ちで過ごしますか? ハラハラ、ヒヤヒヤ、ドキドキ、ワクワク… 今回は、私が再挑戦 […]
クリティカル・シンキング(批判的思考)ってなんでしょう? この言葉は、日本語で「批判的思考」とすると、どうやらすぐにネガティブな印象を受ける人が多いらしく、話題にするのが難しい言葉なのです。 確かに、日本で誰かと話している時、または、誰かが話をしているのを見る時に、お互いに相手の顔を見ながらうんうんと頷き合っている場合がほとんどですし、場合によっては「そうそう」と相槌を打っていることさえありま […]
どれだけ時間をかければいいんだい? オランダでのイエナプラン研修では、オランダの講師らから色々な課題が出されます。 ある時「何か一つの教科の授業を、”6つのクオリティ”(経験の重視、発達の重視、協働の重視、世界に向けた、批判的思考、意味・意義のある学び)を意識しながら企画しなさい」という課題が出されました。多分、日本の学校の先生には、こうしたクオリティを意識しながら授業を組み立てるという経験は […]
君はどうなんだい? 君は満足しているの? 最近、ヒュバートさんに聞いてハッとした話です。 ヒュバートさんは、日本を何度か訪れていますし、もう10年以上もの間、毎年日本からオランダを訪れる大学生、学校の先生、大学の研究者などを対象にイエナプランの研修を講師として受け入れてきた方です。そのヒュバートさんにこう言われて、私自身全く気づいていなかった観点を教えられた気がしました。 「日本の研修生たちは […]