#08 世界の代替療法に迫る:西洋と東洋の知恵

今回の「健康やり直し倶楽部」では、雑誌「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」第8号(西洋編)と第9号(東洋編)を基に、代替療法の世界を探求します。高橋編集長と川村さんが、代替療法の定義や身体・精神・霊性の3軸からなる体系を解説。ホメオパシーなどの具体例を交えながら、現代医療との関係性や、健康に対する新たな視点を提示します。代替療法を基礎から理解したい方に向けた内容です。

【出演者】
川村さん:司会
高橋さん:「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」編集長、株式会社ほんの木代表


川村さん:
今回は、「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」の第8号「心と体と生命を癒す 世界の代替治療法 西洋編」と、続く第9号「世界の代替治療法 東洋編」をテーマにお話しします。
正直なところ、初心者の私には「代替療法」という言葉自体、少しハードルが高いと感じました。
まずは高橋編集長に、今回の特集のねらいや、誌面に掲載されている「代替療法のマップ」について、導入としてお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。

自然治癒力と代替療法:西洋と東洋からのアプローチ

高橋さん:
よろしくお願いいします。
この第8号(西洋編)と第9号(東洋編)は、2冊を通して世界の代替療法をマッピングするという意図で特集を組みました。
ただ、代替療法と聞くと、現代医療が中心の現代では、少し抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

このシリーズでは、まず第1号から第6号までで、体の各部位を探求し、「体は本来、自然治癒力で補われているもので、外から治してもらうものでなく、根本的には自分で見つめ直す必要があるのではないか」という問題提起をし、それに対してどう考えていったら良いか、という形でまとめました。
そして後半の第7号では、それまでのまとめとして「体に効く、治す力、癒やす力」を知り、「自分の体を知ることが、病気になりにくい体を作る第一歩だ」というメッセージを発信しました。
その流れを受けて、この第8号と第9号では、世界に目を向け、どのような代替療法が存在するのかを具体的に紹介しようと考えたのです。

その際、監修の上野圭一さんに相談したところ、非常に分かりやすい資料を提示していただきました。
それが第8号の巻頭、特集2ページから始まる「世界の代替療法のマップ」です。
この図を見た時、断片的に知っていた情報がここまで体系的に整理されていることに衝撃を受け、ある意味、これで自分の役割は終わったとさえ感じました。
しかし、一つ一つの療法を掘り下げると非常に奥深く、全ては紹介しきれませんでしたが、代表的なものを専門家の方々に伺い、西洋と東洋合わせて10数種類の療法を紹介しています。

川村さん:
誌面を見ていただくと分かりやすいのですが、このマップでは「マインド(精神性)」「スピリット(霊性)」「ボディ(身体性)」という3つの軸で様々な療法が分類されているように見えます。
これはそのように捉えてよろしいでしょうか?

高橋さん:
はい、その「ボディ」「マインド」「スピリット」が3つの軸と考えています。

「事実」としての代替療法と健康観の転換

川村さん:
この軸に沿って様々な療法が整理されているのですね。
上野さんの文章で特に印象的だったのは、「ぜひ知っておきたい『事実』です」という力強い言葉です。
代替療法というと、どこかスピリチュアルで文学的な響きがあるイメージでしたが、これは「事実」なのだと。

さらに、「代替療法を積極的に利用して、自分の体にもっと責任を持つ」という姿勢や、「病気であることと健康であることは、相反する2つの状態ではなく、病気も健康も人の在り方の一つにすぎません」と言い切られている点も深く印象に残りました。
私たちはつい「健康が正しく、それ以外はダメだ」と捉えがちですが、そうではなく、精神性、霊性、身体性をトータルで捉え、事実として受け止め、自分の肉体、精神も含めて、どう良い形にしていくのかが問われている、ということなのかなと、勝手に想像しながらこのページを読んでいました。

高橋さん:
そうですね。
「スピリット」や「マインド」といった言葉と、現代医療がすぐには結びつかないかもしれません。
健康を考える上で、身体だけでなく、これらの要素も重要だと受け止められるかどうかが、代替療法の世界を理解する上での一つのポイントになるでしょう。

現代医療との共通点と相違点

川村さん:
現代医療に慣れ親しんでいると、代替療法は少し遠い世界に感じられます。
「健康こそ正義」というような刷り込みも影響しているかもしれません。
しかし、そうした一面的な捉え方だけではない、多様な治療の世界が存在するということですね。

高橋さん:
そうですね。
2・3ページ目の上野さんの言葉を借りれば、「代替療法も現代医学も、その出発点は同じ」です。
これがまず大きなポイントです。

そこから、体や健康、不調をどう治す・癒やすかというアプローチは、時代背景や地域の環境、例えばハーブが豊富な地域か否か、気候などの環境要素の違いなどによって多様化してきました。
その中で様々な療法が各地で発展してきたのだと思います。

行き着く先として近代医学・現代医療がありますが、経済のメカニズムの中での医療という行為にならざるを得ない、というところもあります。
また、標準化によって周縁的なアプローチが削ぎ落とされがちですが、実はそうした部分に大切なポイントが隠されていることもあります。
その境目の領域の療法を求めて、現代医療と代替療法の間を行き来する人々もいるのではないでしょうか。

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