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「健康やり直し倶楽部」最終回は「がん代替療法の最前線」をテーマに、標準治療と代替医療の視点から癌との向き合い方を深掘りします。高橋さんと川村さんが、現代医療の課題や患者の選択肢、そして実際に治療を経験した方々の声(ユーザーボイス)の重要性について語り合います。
【出演者】
川村さん:司会
高橋さん:「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」編集長、株式会社ほんの木代表
川村さん:
いよいよ最終回となりました「健康やり直し倶楽部」ですが、今回は雑誌「ナチュラル・オルタ」シリーズ第11号「がん代替療法の最前線」というタイトルで、高橋編集長にお話を伺っていきたいと思います。
高橋さん:
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
最終回のテーマは「がん代替療法の最前線」
川村さん:
私、この第11号は、ある意味、刺激的な言葉を使った「毒薬」のような号なのではないかと感じています。
高橋さん:
毒薬ですか(笑)。
川村さん:
なぜなら、がんに関する標準治療をどう捉えるかというテーマは、非常に今日的です。
この本は2009年に出版されたものですが、15年以上経った今も、そのテーマは解決されておらず、むしろどうすれば良いのか非常に曖昧模糊とした状態が続いています。
それに対する一つの答えとして、標準治療というものは確かにありながらも、異なる考え方もあるのではないか、というこれまでの10号の内容の総集編として、結局、人間が自身の体をどう捉えるべきか、そのまとめがこの第11号なのではないかと。
編集長はどのような思いでこの冊子を組まれたのでしょうか。
高橋さん:
承知しました。
ただ、「まとめ」という言葉に、今、少々引っ掛かりを感じています。
なぜなら、まとめられていないからです。
川村さん:
それはどういうことでしょうか。
高橋さん:
この「ナチュラル・オルタ」シリーズは、第1号の「人はなぜ病気になるのか」から始まり、「病気とは何か、命とは何か」という壮大なテーマに挑戦してきました。
そして、それを人間という視点に置き換えた場合、2009年当時、病気を一つ一つ精査していくと、最大のテーマはやはり「がん」でした。
「がん」という病気に対して、どう対応し、どう向き合っていくのかをまとめてみたいと思い、この号を企画・編集しましたが、正直なところ、なかなかまとめきれませんでした。
「一体、がんとは、じゃあどうしたらいいんだ」という読者の方からの問いに対して、「それぞれ考えてください」としか言いようがないのが結論です。
「まとめられない」からこそ生まれる「もやもや感」の大切さ
高橋さん:
ですが逆に、その「もやもや感」が大切なのではないか、とも考えています。
それが人が生きるということに関する問題として出てくるのではないかと、私自身もこれを作り終えた後に感じています。
さらに付け加えるなら、その「もやもや感」を持って、第1号の「人はなぜ病気になるのか」の巻頭ページを読んでいただくと、そこからまた次の、自分自身の命への旅が始まるのではないかと。
初めは何か一つの結論のようなものを皆さんに提示できればと思ったのですが、残念ながらそれはできませんでした。
川村さん:
「人がなぜ病気になるのか」ということの中で、がんは非常に象徴的な病理の形として捉えられますね。
最終回でがんに光を当て、様々な先生方がどのような考えをお持ちだったかを明らかにされたのだと思います。
治療のヒントは「ユーザーボイス」にあり
川村さん:
私がこの号を読んで感じた大まかな印象を申し上げると、先生方の言葉を通して、患者さんの声、つまり生還した方々の声を聞いているように感じました。
登場するほぼ全ての先生方が共通して「ユーザーボイス」、つまりご自身ががんになられて生還された方のお話を聞こう、と。
高橋さん:
ユーザーボイスですか。
川村さん:
はい。
例えば星野先生もそうでしたが、全編にわたり、生還した人たちの生の体験を聞くことが、自身の免疫系を高める良い薬になる、という言葉に集約されているように感じました。
それは、標準治療をどう捉えるかという、現行の医療制度に対する疑問を抱いた、物の見方が広く、誠実な先生方が、苦悩されながらご自身の考えのもと、がんという病理に向き合った証言とも捉えられるのではないでしょうか。
医師たちの苦悩と、十人十色の「命への向き合い方」
高橋さん:
そうですね。
この号を出せて本当に良かったと、つくづく思っています。
以前のシリーズ「自然治癒力と免疫力を考えるシリーズ」12冊を経て、この「ナチュラル・オルタ」をここまで11冊、合計23冊を制作する中で、お会いした専門家の方々はおそらく150名ほどになります。
その先生方のお話の中で、実際に医療に従事されている方々が、西洋医学も処方しつつ、それと同様に、あるいは上位概念として代替医療を取り入れて治療にあたっている先生方10名のお話を聞けたというのは、私の知る限り、当時他にはなかったと思います。
個々の先生が単行本を出されていることはありましたが、それを統合した形で、十人十色のがんへの向き合い方、というよりは命への向き合い方を学べる素材としては、この号に尽きると考えています。
ただ、この号だけを読んでも、そこに至るプロセスを把握していないと、有効に活用できない、腑に落ちない部分もあるかもしれません。
川村さん:
全巻を通して感じたのは、怪我や骨折など、急激な事象による傷に関しては現代医学は非常に有効ですが、がんのような慢性疾患は、病そのものだけでなく、今までのその人の生き方の歪みが大きな原因になっているのではないか、ということです。
だからこそ、一気に治癒することが難しいのではないか、と読み取れました。
病とはその人そのものでもあると捉えるならば、今の状態は急にそうなったのではなく、日々の生活の過ごし方の表れとして、健康や病が表面化するということなのでしょうか。
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