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西洋の代替療法:ホメオパシー医学を例に
川村さん:
今、編集長がおっしゃった話に続いて、5ページ以降では医学博士の帯津良一先生のお話があります。
帯津先生が、いかにして代替医療であるホメオパシー医学を獲得していったか、というご苦労話が掲載されています。
これは、日本の医療の現状に至るまでの歴史的な背景を垣間見ることができ、興味深かったです。
西洋医学だけではないやり方を獲得するために、どんな道のりがあったのかが、帯津先生の言葉で語られています。
帯津先生とのやり取りの中で、どのようなことがあったのでしょうか。
高橋さん:
帯津先生には、「ホメオパシー医学とは何か」という本質について伺いました。
ホメオパシーでは「レメディ」という、病気を癒やすための独自の手段が用いられます。
これは単なる薬とは訳せません。
例えば、がん治療に使うレメディには、同種療法の考え方に基づき、がん細胞に類似した物質が含まれていることがあります。
それを極限まで希釈していくのですが、ホメオパシーでは希釈度が高いほど、その力は強くなると考えます。
一般的な物理的概念では、密度が薄くなれば効果も弱まるはずですから、これは逆の考え方です。
そこにスピリチュアルな要素が介在することを納得できるかどうかが、この療法を理解する上でのポイントであり、帯津先生のお考えを深く聞きたかった点です。
川村さん:
この「レメディ」一つとっても、話が非常に奥深く、面白いと言っては不謹慎かもしれませんが、現代の私たちの常識ではなかなか触れることのできない世界ですね。
高橋さん:
そうですね。
もはや哲学や文学の世界に近いかもしれません。
論理や数値、知識だけでは解釈しきれない問題です。
人間がなぜ生まれてきたのかを数値で解明できないのと同じで、そもそも解釈できないものを解釈しようとすること自体に無理があるのかもしれません。
大切なのは、「そういう考え方もあるのだな」と受け止められるかどうかだと思います。
代替療法 西洋編
川村さん:
私のような初心者にとって、この第8号にまとめられた「代替療法 西洋編」は、表面的かもしれませんが網羅的で、非常に幅広く奥深い世界を知るための、まさに便利な入門書だと感じました。
編集意図としてはいかがでしたか?
高橋さん:
そのようにこの本を手に取っていただけると、編集者として本望です。
正直、今これだけのものを作れと言われても、もう作れないかもしれません。
当時はそれだけのエネルギーがありました。
川村さん:
これだけの多層的で多様なテーマを一冊に編むというのは、編集作業として想像を絶する難しさだったのではないでしょうか。
高橋さん:
そう言っていただけると嬉しいです。
ホメオパシー、アントロポゾフィー、ハーブ療法、バッチフラワーなど、個々のテーマをここまで掘り下げた書籍は、最近あまり見かけない気がします。
私のライフスタイルが変わったのか、世の中全体がそうなっているのかは、分かりませんが。
川村さん:
昨今の猛暑や異常気象のような気候変動などを考えると、従来のやり方だけではない、オルタナティブなものを人々が求め始めている気配も感じます。
高橋さん:
そうですね。
世の中がそういう方向に、ある種の混沌に進んでいるのかもしれません。
川村さんがおっしゃるように、「オルタナティブ・メディスン(代替医療)」を改めて考えるとき、この第8号は非常に良い導入になると思います。
まとめと今後の展望
川村さん:
この第8号は、初心者として読んでも、キラキラした宝物が詰まった宝箱のような印象を受けました。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
「ナチュラル&オルタネイティブ・ヘルスブック」8号ダウンロード
次回は「東洋編」と続きますが、この第8号の内容も振り返りつつ、引き続きお話を伺えればと思います。
よろしくお願いいたします。
高橋さん:
そうですね。
この第8号と第9号は、今だからこそ、何か新しい切り口で企画を立てられる可能性も感じますね。
川村さん:
確かに、これだけで独立したトピックとして深掘りできそうです。
高橋さん:
また機会があれば考えてみたいと思います。
今日はありがとうございました。
川村さん:
ありがとうございました。
※雑誌「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」は2007年から2009年にかけて出版されたものです。そのため、記事の内容は当時の状況に基づいています。
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