#10 病気と文明を見つめ直す ~行き方を変えれば健康になる~

現代文明が生み出す病とは? 「生き方を変えれば病気は治る」というテーマで、生活習慣病やストレスの本質に迫り、健康を取り戻すためのヒントを「健康やり直し倶楽部」で探ります。高橋編集長が、雑誌「ナチュラル・オルタ」第10号を通じて、文明と病の関係、そしてホリスティックな健康観を解説します。

【出演者】
川村さん:司会
高橋さん:「ナチュラル&オルタナティブ ヘルスブック」編集長、株式会社ほんの木代表


川村さん:
よろしくお願いいたします。

高橋さん:
本日もよろしくお願いいたします。

川村さん:
ほんの木さんが出版されている「自然治癒力を高める新シリーズ ナチュラル・オルタ」の第10号について、今回も高橋編集長にいろいろとお話を伺います。
今回のテーマは、「生き方を変えれば病気は治る」というタイトルです。
この号は、ある種の文明論を語っているような印象を受けましたが、今回の第10号に関する編集意図からお聞かせいただけますでしょうか。

第10号のテーマ「生き方を変えれば病気は治る」と編集意図

高橋さん:
今回の第10号ですが、これまで第1号から第9号まで、体のことや部位のこと、さまざまな代替療法について取り上げてきました。
この号では、「ナチュラル・オルタ」ということで、西洋医学というよりは、オルタナティブ・メディスン、つまり代替療法を学んでいこうという趣旨で、世界の代替療法を調べたり、私たちの考えを紹介したりしてきました。
その中で、さまざまな不定愁訴、あるいは発熱や頭痛など、対症療法として体を癒したり治したりすることもありますが、それだけでは体が元に戻ることが難しいのではないかと感じていました。
そこで見えてきたのが、現代社会や文明と私たちの接点です。
この号では、その点を取り上げてみました。

文明が生み出す病、「文明病」とは

川村さん:
特にこの第10号を通して、寄稿されている方々が皆、文明論的なスタンス、あるいは目線で語られている印象を受けました。
意図されたのかは分かりませんが、一種の共通言語として流れているように感じます。
例えば、上野圭一さんの項目では、「消費文明はもう限界に来ているのではないか」という切り口でまとめられています。
その中でも特に興味深かったのは、当初、現代のストレスなどから生じる病を「文明病」と呼んでいたものが、次第に「贅沢をしているから糖尿病になる」といった文明の産物という意味での「贅沢病」のようなニュアンスを含めて「成人病」という言葉に変わり、さらに大人だけでなく子どもにも同様の病が蔓延してきたことで「生活習慣病」という呼称に変化してきた、という部分です。
言葉の変化が消費社会の転換と呼応しているかのようで、まさしく編集長がおっしゃったように、この第10号では現代の時代背景が大きなテーマの一つになっているのですね。

高橋さん:
その通りです。
「成人病」には、がん、脳卒中、高血圧などさまざまなものがあり、それが「生活習慣病」という言葉に置き換わってきました。
それが「文明病」という言葉に置き換わったかというと、健康業界では特にそうは語られていません。
しかし、当時なぜ「文明病」という言葉を使ったのかを改めて考えてみると、病気を部位ごとに捉えるのではなく、もっと全体的に捉えなければならない、という考えが浮かびました。
病気は常に共存するものであり、戦うものでも治すものでもない、という思想もある中で、「ホリスティック」という言葉が浮かんできたのです。
ただ、「ホリスティック」という言葉は分かりにくく、説明も難しかったため、当初「文明病」という言葉を仮説として立ててみました。
すると、上野さん、安保先生、帯津先生、皆さんの話がその言葉で括れる共通キーワードとなったため、この号では「文明病」という言葉を使って病気が治る、治すという視点でまとめてみました。

安保徹先生が説く「頑張り病」とは

川村さん:
その文脈の中で、安保徹先生の「文明病の本態とその根治法」という項目は、私自身も非常に分かりやすく、納得できる点が多かったです。
生活を改めることで病気を予防できるのだという確固たる信念に支えられた文章構成になっていると感じます。
特に「がんは頑張り病なんだ」という表現は、安保先生の平易な言葉遣い、分かりやすい比喩的な表現につながっていると思います。
つまり、無理をしているから交感神経が緊張し、それがさまざまな血圧疾患などにつながり、最終的にがんという悪い細胞につながっていく。
その根本的な原因はさまざまですが、一言で言えば文明が引き起こしたものだ、という流れで語られていると理解してよろしいでしょうか。

高橋さん:
そのご理解で問題ありません。
今のお話を聞いて、「なるほど、そうだよね」とうなずく方はたくさんいらっしゃると思いますが、どこまで皆さんに腑に落ちているか、ご理解いただけているかを考えると、なかなか難しいとも思います。
そこでこの本では、安保先生の記事の前に水上治先生のお話を、そしてその後に鶴見クリニック院長の鶴見隆史先生のお話を掲載しています。
このお二方はレギュラーではありませんが、当時やはり健康や病気、特にがんというテーマは非常に大きく、がんとは戦うのか、避けて通るのかといった議論が多くありました。

水上先生は、「健康増進」という言葉をテーマに、さまざまな病気で悩まれている方を包括し、積極的に健康を高めていくという視点でクリニックを運営されており、注目されていました。
先生のお話を見ていくと、がん、脳卒中、糖尿病、動脈硬化、うつ、眼精疲労、慢性疲労症候群など、さまざまな病気が挙げられていますが、結局、対処方法としては同じことをしていくに過ぎない、とまとめていらっしゃいます。
これらをよりホリスティックに見ていくと、また違った見方ができる。
個々の部位や症状ばかりに目を奪われていると、自分自身の大切なものを見失ってしまう、というお話がありました。

それを受けて、安保先生の「文明病の本態とその根治法」というお話を伺いました。
川村さんがおっしゃったのは、その安保先生のお話の概略だと思います。
しかし、それも概念的な話であり、「もっと具体的なことはないのか」という声や問い合わせもあります。
それに対して、一つの方法としての提案が、「食べ物を見直してみませんか」ということで、鶴見先生の食べ物に関する、少し斬新な視点の話を持ってきたのです。
これが、私たちのホリスティック的な健康の考え方であり、限られたページでは深く説明、紹介はできませんでしたが、そのような構成にしてみました。

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