#10 病気と文明を見つめ直す ~行き方を変えれば健康になる~

実践的な提案

川村さん:
復習のような言い方で恐縮ですが、上野さんや安保先生のページでは、いわば上位概念のようなものを述べていて、それを具現化し、具体例で示したのが水上先生のがん、脳卒中、動脈硬化、糖尿病といった項目別の解説があり、それを回避する一つの手立てとして、鶴見先生の「食べ物で治す」という実践的な内容を挟んでいる、という編集構成になるのでしょうか。

高橋さん:
そうです。
それに一言付け加えると、医師が実践していること、という前提でまとめています。
代替療法家の方や施術家の方まで広げると、もっと先進的で斬新なことをされている方もいます。
ただ、そこまでのことと医療、そしてこの「ナチュラル・オルタ」シリーズ全体の前提が、医学をベースとした話の中で、現代・西洋医学だけでない形で体の健康を捉えていきたい、というものですので、その中で提示した一つの方向性が、この第10号に凝縮されています。

雑誌「ナチュラル・オルタ」の構成と特徴

川村さん:
確かにこの第10号は、そういった意味で、概念的なことだけでなく、非常に実践的な食べ物や野菜の選び方、知識、あるいは酵素に注目した項目などがあり、かなり具体的な、「だからこうすればいいんだ」ということまで言及している点が、一つの興味深い特徴と言えるでしょうか。

高橋さん:
そうですね。
おそらく、具体的な方法論まで含めて一つの形にまとめたものは、私もその後、見たことがありません。

川村さん:
どちらかというと、新書版などで考えると、やたらと方法論だけに徹したものか、あるいは概念的なものだけに徹したもの、というような区分けや展開の仕方が一般的な気がします。

高橋さん:
一つ一つのテーマとしては十分にそれぞれ語れるのですが、一つの括りとして、どのようにまとめるかという点で、書籍という作り方においては非常に考えさせられ、ようやくこの形になったということです。

川村さん:
まさしく、このようなマガジン形式というある種の形式が武器になって、雑多なもの、と言っては失礼かもしれませんが、多様な情報をうまくまとめているのですね。

高橋さん:
ですから、さまざまな分野にわたって知識をお持ちの読者の方も多いと思いますが、少し物足りないところもあるかもしれませんし、考え方として「そうではないのではないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一つの提案として、あるいはここからの出発点として、それぞれの健康をどのように考えていっていただけるのか。
これもまた、10人いれば結論が10人それぞれ全く違いますので。

川村さん:
今、改めてこうして見てみても、古さをどう評価するかは別として、本当に改めて確認したいことだらけで、読んでいて非常に腑に落ちることが多く、今の自分の知識から見ても、かなり入門編的な意味でも良い雑誌になっているというのが、私の率直な感想です。

高橋さん:
そうですね。
入門書としてはよくできているのではないかと、本当にそう思います。

まとめと次回予告

川村さん:
特に、次回の予告にもつながるかもしれませんが、やはり一つの大きなテーマである「がん」ということに対する前哨戦、あるいは前段の踏み台となる意味合いとして、この第10号を考えると、非常に意味があるものになっているのではないかと思います。
次回は第11号、「がん代替療法の最前線」というテーマになりますが、その前段としても、この第10号は非常に重要なのではないでしょうか。
そこには、編集者としての意図も含まれているのでしょうか。

高橋さん:
そうですね。
第1号から第9号までは、それぞれテーマを持って、そのテーマを調べて話を聞き、取材して一つずつまとめていこうということで、大体想定はついていました。
しかし、この第10号は、その第1号から第9号までを作り上げた上で出てきた、一つの新しい知見だと思います。

川村さん:
まさしく全体的に言えることを一言で言えば、「オピニオン」という言葉が思い浮かびました。

高橋さん:
なので、少し脱線するかもしれませんが、この第10号は一番タイトルに迷いました。
どうタイトルをつけようか、なかなか決まらなかったのです。
その時に一番考えていたことを一つのメッセージとしてタイトルにつけたのですが、あまりにも抽象的なタイトルで、書店でこの号が置いてあっても、結局これが何の本なのかが分からず、売るには少し苦戦したという記憶が今、蘇りました。

川村さん:
しかし、素晴らしい一冊に仕上がっていると率直に感じました。
ありがとうございます。
では、次回、先ほども申し上げましたが、第11号「がん代替療法の最前線」について、またお話を伺いたいと思います。

「ナチュラル&オルタネイティブ・ヘルスブック」10号ダウンロード

川村さん:
本日は本当にどうもありがとうございました。

高橋さん:
こちらこそありがとうございました。


※雑誌「ナチュラル・オルタ」は2007年から2009年にかけて出版されたものです。そのため、記事の内容は当時の状況に基づいています。

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