しばし眺め、できたらそのまま、あるいは、ちょっぴりの「何か」を足して食べてみたいと思います。
カンタンをゆっくり、きっとどこかにお気に入りを入れて。

種を食べるくらし
日本には古来「豊葦原の瑞穂の国」という言葉があります。葦が生い茂り、瑞々しい稲が豊かに実る国という意味なのだそうです。暑かった夏も終わり、実りの秋が近づくと、この言葉を思い出します。黄金色の稲穂が風にたなびく景色は理屈を超えて美しい、日本の原風景だと感じます。
米食の機会がだんだん減っていた人も一昨年の令和の米騒動をきっかけに、「お米は日常にないと困る、やはりソウルフードだ!」と原点に還る思いをしたかもしれません。
さてこのコーナーは究極必要な食べ物シリーズのつもりで書いています。今回は「種」です。
種はさまざまな種類のものがあり、いずれも栄養豊富、貯蔵もでき、わたしたちのくらしを支えてきました。
冒頭に書いた稲ももちろん種です。瑞穂の国はお米の国、確かにいま、主穀はお米となりましたが、縄文時代にはすでに「ひえ・あわ・きび」や、「そば」などの雑穀が作られていました。「大麦・小麦」も作られたようです。そして世界ではその土地に適した種、穀類が食されています。見たことも聞いたこともない種もあります。そうした多様性は大事にしたいものです。
種もやっぱりホールフードで
「ごま、くるみ、アーモンド、ピーナッツ」などのナッツ類、「あずきや大豆」など豆類も種子。わたしたちは実にいろいろな種を食べているわけですね。
種もポイントは、できるだけまるごとホール(WHOLE)すなわち糠や胚芽がついた状態のものを、水に浸し発芽できる状態にして酵素抑制因子となるアブシジン酸や、ミネラルを吸着するフィチン酸の作用をはずします。そして生か、加熱して食べることです(※)。
今回は玄米を取り上げます。実は最近、「お米は必ず玄米で!」とは言わなくなりました。なぜならしっかり噛む習慣がない人、食物繊維を摂り慣れていない人が増えているからです。けれど、「白米=お米」でもないのです。白米はお米を食べやすく加工精製した姿、ということを忘れないようにしたいと思います。
白米と比べたら、玄米は、食物繊維が6倍、若返りホルモンと言われるビタミンEは14倍、B1、B2、B6も数倍、ミネラル類も各種あるのですから。
人間の種の食べ方
玄米は17時間以上浸水し、その水は必ず捨てて、新しい水ですすいでから炊きます。高圧で炊くと糖化物質のアクリルアミドができてしまうため、土鍋か普通のステンレス鍋で炊くのがおすすめです。今回は土鍋で炊いています。ちなみに白米は発芽しないので浸水が必要ではありません。雑穀を混ぜるとホールフードの要素も摂れます。市販のブレンド雑穀でもいいですし、あわやきびの粒だけを加えるのも、黄色くてキレイ、マイルドな味わい。炊飯器でオーケー。
種の種類で浸水時間は違いますが考え方は同じです。豆も17時間ほど浸けるのがベター。常食でなければ神経質に捉える必要はなさそうですが、付き合い方のコツを抜きに、いい悪いが語られがちなので、もったいないと感じています。そもそも種はいのちをつなぐもの。あらゆる要素が全部詰まったホールフードです。これらを食べていれば間違いなし、と言えそうです。
(※)豆は浸水しても生では食べられません。食中毒症状を起こすことがあるので必ず加熱します。




タド・ジュンコ
一般社団法人ワンネスフード協会代表理事。最新栄養学、宇宙の法則、氣の料理を融合して、癒しと進化を叶える食事を教える。
著書『不思議と幸せを呼びこむスピリチュアルごはん』
