【P.10~】希望のがん治療/『「自然治癒力を高める」新シリーズ「ナチュラル・オルタナティブ」ヘルスブック⑪ がんはどの段階でも治る可能性がある がん代替医療の最前線』

希望のがん治療

治った人の体験から学ぶ、がんが治る5つの共通項

がんが治るか・治らないかの決定的な分かれ目は自分自身が積極的に対処できるかどうか、と岡本先生。がんが治った人は何を考え、どう行動したのか? 本音で相談、対応するe-クリニックに集ったサバイバー(がんからの生還者)の方々の貴重な体験や教えに学び、がんにならない、がんに負けない生き方を考えます。

がんが治る人と治らない人の決定的な違い

同じような病期、病勢なのにがんで死ぬ人と治る人がいます。また、初期のがんなのに命を落とす人がいる一方で、かなり進行したがんなのに治る人もいます。
私たちはこれまで、リンパ節転移や多臓器転移、再発をしたなどのステージⅢ以上のがんから治療し、少なくとも5年以上経過している方々(サバイバー)にインタビューやアンケートなどをお願いし、いろいろなことを詳しくお聞きし、学んでいます。その中で、治る人と治らない人の決定的な違いについて質問しています。
左の表は、がんが治った人が実行していた5つの共通項目です。がんになっても生きる人は「前向き」「考え方を変えた」「生活習慣を変えた」「努力を惜しまない」「感謝の気持ちがある」「自立心がある」「生きがいを持っている」「夢がある」「意志が強い」「治ろうと思う」「死生観がしっかりしている」などの特徴があります。また、がんが治らなかった人には、「タバコを止めない」「考え方を変えない」「生活習慣を変えない」「がんをなめている」「自立できない」「努力しない」「意志が弱い」「なげやり」などの特徴があります。今までの経験や多くのサバイバーの証言から、「変化」「自立」「死生観」が、がんが治る人のキーワードといえるでしょう。
最も多かった回答が「考え方」(30名)で、次いで「食事」(20名)、「治療法」(9名)と続きました。他の項目と全く関係ないわけではありませんが、「考え方」「食事」が「治る・治らない」の違いに大きな比重を占めると見てよいでしょう。

① 考え方

考え方がまずかったから過度で慢性的なストレスとなり、がんに至ったのです。治る意志があるなら自らの過ちを素直に受け止め、考え方を変える必要があります。考え方が変われば治療も進みます。

② 食事

食べ過ぎ、脂っこい食品や砂糖の多い食品を避けて、野菜中心に玄米などの未精白の穀物を主体に変えます。がん抑制効果の強いにんにく、トマト、オレンジ、大豆、キャベツなど多種類の野菜を摂ります。

③ 治療法

がんに特効薬はありません。1つの治療法、治療薬で治るはずはなく、小さいことを積み重ねた総合力が相乗的に大きな力となって効果を発揮します。気持ち、考え方、気、場なども治癒率を大きく左右します。

④ 家族・友達

がんと闘うには、心の支えも必要です。生きようと努力するとき、そばにいて見守り、励ましてくれるのが家族や友達です。がんが治った人の多くが、家族・友達の支えが大きな力になったと証言しています。

⑤ 努力

治るために生活習慣を変え、治療法を知り、自立するのも努力が必要です。自分で治ろうと努力をしないで、すべてを医者任せや投げやりな人は治りません。常に前向きに考え、努力を惜しまないことが重要です。

がんを克服した10名の方の証言

病気を治してくれるのは医者であり、病気を治す場は病院と考えるのは大間違い。病気を治すのは患者自身の生き方、考え方を変える意志の力であり体がもともと持っている回復力・免疫力です。病院で余命数か月の宣告を受けたにもかかわらずe-クリニックに相談して希望を見いだし、がんを治した方々の貴重ながん治癒体験です。

1 五時半起床、残業なしで復活

建築設計事務所経営の55歳の男性。公共事業などを手広く扱うやり手経営者で、健康には自信がありましたが、知り合いの医師の診療所で受けた検査でステージⅡbの大腸がんが見つかり手術を受ける。

手術前から自然療法、玄米菜食、気功などのさまざまな代替療法の情報を収集し、実際にそれらの治療法のセミナーや講習会にも積極的に参加しました。また、免疫力を高めるには笑いも大切と知り、手術直前まで吉本興業の舞台に通いました。
手術後、医者から「元の生活に戻っていいでしょう」と言われましたが、がんを招いた元の生活に戻れば、またがんになってしまう。せっかく身についた体によい生活を守ろうと決心しました。
朝5時に起床、仕事は遅くとも夕方の5時半に終わりにし、夜10時には就寝と、毎日を規則正しく過ごします。また、気功、半身浴、玄米菜食、にんじんジュース、サプリメント(ビタミンC)を毎日欠かさず摂り、患者会にも積極的に参加しました。
手術から5年半、体調はすこぶる良好で、献身的にサポートしてくれる妻に感謝しながら、日々体に優しい生活を送っています。

2 抗がん剤より会社人間を中止する

猛烈サラリーマンを自認するほどの猛烈仕事人間の45歳男性。家族も顧みないで仕事に明け暮れる毎日だったが、健康診断でステージⅡbの肺腺がんが見つかり、切除手術を受けた。

手術の5か月後に副腎への転移が見つかりました。このままでは治癒は難しいと、医者からは抗がん剤治療をすすめられましたが、身内で抗がん剤治療を受けて治ったものがいないことから断り、代替療法に専念することにしました。
これまでの不規則な生活を改め、規則正しい生活を心がけました。食事も玄米菜食に切り替え、ストレスをなくし、周囲に感謝の心を持ち、気功、ヨガ、ウォーキング、温灸、中医薬やサプリメントを摂るなど、自分にできることはしっかりやりました。
患者会で知り合った人々や家族が大きな支えになりましたが、がんになったことがきっかけで、仕事一筋の猛烈サラリーマンを返上して自分自身の生き方を変えようと決めたのも、結果として心身によい方向で作用したのではないかと思います。代替療法を始めて4年近く経ちますが、転移も再発もなく体調は良好です。

3 仕事への未練を断ち切る

一部上場企業の専務取締役の68歳の男性。友人のガンセンター外科部長の執刀で左肺の腫瘍(直径4センチの肺腺がん)を切除。半年後に縦隔(胸部の左右肺に囲まれた胸部脊柱上の器官の集まり)への転移が見つかるも、仕事をバリバリこなしていた。

縦隔への転移が見つかって、がんセンターで放射線治療を受けました。執刀した友人の外科部長は、手術後も、転移後の放射線治療を終えたあとも「仕事に復帰してよい」と太鼓判を押してくれていたので、バリバリ仕事をしていました。
しかし、e-クリニックで「治るというのは元に戻るということではなく、最もよい状態になる意味で、元に戻ってしまうとまた再発する可能性が高い。今は治療に専念することが必要」と、実例をあげて説明していただき、すぐに休職して養生治療に専念。会社も退職。その後3年経過して再発、転移もなく体調も順調で、妻とともに心穏やかな悠々自適の日々を送っています。

4 無責任、無神経な主治医と決別

卵巣がんで腹膜への転移をともなうと診断された38歳の主婦。医者の言うままに手術、抗がん剤治療を受けたが、抗がん剤の副作用が耐え難く途中で治療を拒否、自主退院を余儀なくされた。

抗がん剤の継続治療を受け続けるのを、どうしようか悩みましたが、息子の通常治療で治らなかったアトピー性皮膚炎が食事療法で治ったことを思い出し、自分も玄米菜食中心の食事療法に専念することにしました。また、患者会に参加して、がん体験者(サバイバー)からさまざまな治療法を教わり、納得できるものを取り入れました。治癒は総力戦と信じてコツコツと治療に専念していくうちに、しだいに元気になっていくことを確信しました。
1年が経過した頃、手術をした医者の「まだ再発していないね」という、再発していないのがおかしいとでも言いたげな口振りに、自分の主治医は自分自身であるという思いを強くしました。
幸い、よい中医学の治療家、患者仲間にも出会うことができて心の支えになりました。以後9年を経過していますが、再発はなくますます元気です。これからは、がんになって不安を感じている人たちに、自分の体験を役立てていただきたいと思っています。

5 杓子定規な担当医と心中しない

4歳の公務員の男性。毎日、早朝から深夜まで休みなしに激務をこなし、かなりのストレスを感じていた。血尿が続くので精密検査を受けたところ、右腎臓で、腫瘍は腎臓を越え、大静脈まで達していた。

大学病院で手術を受け、その後インターフェロン大量投与を受けましたが副作用が激しく、白血球数も激減。医者に副作用を軽減する方法、化学療法以外の方法を質問しても、「インターフェロン投与は保健適応のある世界的に認められた治療法」「代替療法はエビデンスがない」と取り合ってくれません。精神的なサポートの求めも受け付けられませんでした。そこで大学病院に見切りをつけ、他の医者で経過をフォローしながらベース治療※、自律神経免疫治療、丸山ワクチンなどで治療に専念。1年6か月経過後も体調よく、再発のきざしもありません。

※ がんを「自分で治す」という姿勢で立ち向かうことにより、飛躍的に治療率を向上させるという発想のプログラム。
1.  メンタル (考え方とストレスマネージメント)
2.  栄養(食生活と栄養)
3.  血行(血行の改善)
という治療の基本となる部分をベース治療とし、他の治療をアクティブ治療として積み上げる。

6 余命3か月宣告を無視する

化粧品販売会社を経営する40歳の男性。大学病院で咽頭がんのステージⅣで、脳にも広範に転移していると診断され、治療法はないと告げられた。

がんになっても、「手術と抗がん剤治療で完治できる」と信じていましたが、治療法がないうえに、「余命も3か月が限界」と宣告され、愕然としました。
それからしばらくは自暴自棄になって人生を悲観していましたが、e-クリニックで3大療法以外にも選択肢があることを聞きました。そこでただちに店舗を処分し、ベース治療と活性化リンパ球治療、尿治療に専念。まじめに治療に取り組んだおかげで、1年後には脳内(髄腔内)、咽頭でもがん細胞が消えていました。その後10年を経過していますが、ますます元気になって、夫婦で小さな園芸店を営んでいます。治療法はさまざまなあります。「治ろう」という意志があれば、余命宣告も気にすることはありません。

7 主治医から見放されてもあきらめない

非常に几帳面な60歳の女性。スキルスタイプの胃がん※と診断され、県立病院で手術を受けるも、腹膜に転移しており、腹水もたまっていて余命6か月との宣告を受けた。

抗がん剤治療をすすめられて服用していましたが、医者は治る見込みがないと匙を投げている様子であまり真剣に対応してくれませんので、とても気分が落ち込んでいました。
e-クリニックに相談すると、同じ病期で生還している人の例を紹介していただき、ベース治療と自律神経免疫療法、中医療法を受けるようにとアドバイスされて、治るという希望が見えました。ベース治療と自律神経免疫療法、中医療法に抗がん剤治療を併用しながら、まだ6か月を経過したばかりですが、食欲も旺盛になり、体調もよくなりました。主治医から見放されても、別の見方や考え方、治療法が必ずあるはずです。決してあきらめないことが大事だと実感しています。

※ スキルスタイプの胃がん (スキルス胃がん)とは、粘膜の表面にあらわれず、胃壁の中で進行していくタイプのがん。発見されにくく、気づいたときは転移していることも多い。

8 消耗する高額治療に気をつけて

52歳の弁護士の男性。手術後、ステージⅢbの大腸がんと診断され、医者に再発の可能性があると言われ、不安になってさまざまな高額健康食品や代替療法を言われるままに受ける。

手術後、少なくとも1000万円は、高額治療や健康食品、代替療法のために使い果たしました。
高額療法を何度もやめようと思い担当の医者に相談しましたが、「やめると再発する」と言われ、独断でやめる勇気がなく、心身ともに疲弊しきっていました。
何とかしなくてはと、e-クリニックで今まで受けた治療法や健康食品を詳しく話したところ、ほとんどが意味のないものであることがわかり、即刻やめるようにアドバイスされました。
その後はベース治療をしっかり行なうことだけに専念して、4年が経過していますが、再発のきざしはまったくなく、発病前よりも体脂肪が大幅に減少し、以前よりも元気に生活しています。

9 在宅医との2人3脚

ひとり暮しの44歳の女性。3年前に子宮体がんの手術を受けたが、その後骨盤内に再発がわかった。再発は広範にわたっていて、ずきずきする痛みが激しく、医者に痛みの緩和を訴えたが拒否された。

痛みを緩和するよう、何度も主治医に訴えましたが「腫瘍があるから痛いのは当然。モルヒネなどを使うより、抗がん剤治療を積極的にやるしかない」と緩和療法を拒絶されました。
あまりに痛みが激しいので、一時は自殺したいと考えましたが、e-クリニックで、「痛みは必ず取れます。我慢するよりも免疫力を高め、治癒するという気力を高めるためにも緩和治療は必要です」という説明を受け、緩和治療をやってくれる在宅医を探すようにアドバイスされました。そこで、いろいろと手を尽くした結果、よい在宅医が見つかり、緩和治療を受けたおかげで痛みはなくなって生きる意欲を取り戻しました。

10 標準治療だけに執着しない

40年間、畳職人を続けてきた36歳の男性。市立病院で腎臓がんと診断され、腎臓摘出手術を受けたが、その後、肺に転移が見つかる。

肺へ転移したがんは、直径4センチぐらいの大きさでしたが、化学療法のインターフェロン投与を続けた結果、がんは直径3センチに縮小しました。医者からはインターフェロンを継続投与するようにすすめられましたが、副作用が強くて我慢ができずに継続治療を拒否しました。
それからは食養生を中心に、中医薬、気功、温冷浴を行いながら自宅で養生を続け、7年以上経過した現在でも肺に転移したがんの大きさに変化はありませんが、体調もよく、マイペースで仕事を続けています。
現代医学の3大療法(手術、抗がん剤、放射線)だけにとらわれないで、ベース治療を行ない、中医薬や食養生、気功などのさまざまな治療法を用いて、転移、再発を防ぐことが大事だとわかりました。

番外編 がんから生還できなかった人の共通点

がんになると、多くの人は医者の言うままに標準治療を受けます。あるいは、知人などがすすめる1つの健康食品や代替療法のみを盲信して状態を悪化させることが多くあります。
医者が正しい判断をくだせるとは限りませんし、がんに特効薬はありません。がんの発生には、その人の生き方や生活習慣などが大きく関係しており、それを改めなければ転移、再発します。
がんから生還できなかった人には「治るために情報を集めるなどの努力をしない」「医者まかせにする」「1つの方法をかたくなに盲信する」「がんの特効薬があるからと安易に考えている」「考え方・生活を変えようとしない」などの共通点があります。
まずは、冷静になって自分の生き方や生活習慣を見直すことが大事です。


著者情報

おかもとゆたか
1957年大阪市生まれ。大阪大学医学部卒業。以後およそ12年間、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究に従事した後、従来の医療・医学の考え方と手法に限界を感じ、臨床医をやめ、「21世紀の医療・医学を考える会」を有志の医師と一緒に立ち上げ、健康情報の配信、各地で健康セミナーを開催する。2001年、本音で応える医療相談ウェブサイト「e-クリニック」をスタート、代表理事を務めている。

クレジット

岡本裕 医学博士・特定非営利活動法人「21世紀の医療・医学を考える会」e-クリニック代表
取材/高橋利直 文/矢崎栄司 協力/清澤文晴(e-クリニック)

(『「自然治癒力を高める」新シリーズ「ナチュラル・オルタナティブ」ヘルスブック⑪ がんはどの段階でも治る可能性がある がん代替医療の最前線』より抜粋)


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