第6話 凄いグループリーダーと凄い子どもたち(リレーエッセイ)

 もう4年も前のことだが、あの日のことは、本当に鮮明に覚えている。

 その時、私は2回目のホームステイ中だった。Meppel(メッペル・オランダのドレンテ州南西部にある基礎自治体)という町のイエナプランスクールの校長先生の家にホームステイして、毎朝一緒に学校に通わせてもらっていた。

「今夜は、もう一つの学校で保護者とのミーティングがあるから一緒に来る?」と言われ、ついていった。(オランダの校長先生は2校掛け持ちが珍しくない)

 その学校は村に1つしかない小さな小学校で、子どもの数が減ってしまったので6〜8歳と9〜11歳の異年齢学級にしたが、イエナプランスクールではなかった。けれど、9〜11歳のクラスの先生はずっとフレネ教育をやってきて、最近ではイエナプランをやっているとのことだった。

 その先生に挨拶をして、クラスを見たいと伝えたところ、

「ちょうど明日、子どもたちが料理をするんだけど、手伝ってくれる保護者の人数が足りないから来てくれる?」と言われた。

「もちろん!」と答え、翌日連れて行ってもらうことになった。

 そのクラスは、今までに見たことがないくらいに“落ち着いた”クラスだった。サークル対話では、一人一人が嬉しそうに話をしている。

 そして、料理が始まった。

 11歳の男の子が2人と10歳の男の子が1人と、9歳の女の子が1人、学校の中心にある小さなキッチン(日本で言う職員用の小さなキッチン)にやってきた。どうやらキノコのスープとキノコオムレツを作るらしい。11歳のMくんだけが英語が話せ、何となく通訳をしてくれる。

 先生には「危なくないように見ていて」とだけ言われていた。レシピを持っていて、何も困る様子はなく、キノコや玉ねぎを包丁で切っていく。もちろん手付きは危なっかしいのだが、オランダ語が話せるわけでもないので、とにかく見守る。

 しばらく経った頃、あまりにも私と保護者たちが暇そうだったからなのか、時間が足りないと思ったからなのか、「キノコを切ってくれ」と頼まれた。そこから、私たちは、とにかく手伝った。

 そうこうしているうちにお昼の時間になった。

 子どもたちは普段は自分の部屋でサンドイッチを食べるが、この日はキッチンでスープの様子を見ながら食べるらしい。その時、Mくんが、「手伝ってくれたから。」と言って、私たちにサンドイッチを分けてくれた!

 そして、1時半頃。「催し」が始まった。キッチン横のホールでは、ポスターセッションのような形でキノコについて説明をしている。

 しばらく経つと、彼らのクラスで保護者による椅子取りゲームが始まった。

 保護者は大騒ぎ。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが、それぞれ同じくらい参加していて、キャーキャー言いながら椅子取りゲームをする。1回戦ごとに、椅子に座れなかった人たちに対して、子どもたちからキノコの問題が出される。正解すると復活できる。

 椅子取りゲームで3位になった人には20%OFFチケット、2位には30%OFFチケット、1位には50%OFFチケットが景品として渡された!

 そして、ホールで、レストランが始まった。

 先ほど作ったキノコのスープとキノコオムレツ、オランダ独特のキノコマフィン(キノコは入っていなくて、赤い着色料を使って、赤いキノコを表現した甘いマフィンです)、マシュマロの上に赤いリンゴを載せてキノコを表現したお菓子が、1〜3ユーロで売られている。椅子取りゲームの景品は、このレストランの割引チケットだったらしい!翌日には、元々あったお金と材料費と、今あるお金を筆算して、利益を出していた。

 全てが繋がった。

 圧巻だった。

 催しってこうやるのか!!ワールドオリエンテーションってこうやるのか!!

 凄いグループリーダーに出会えた!

 凄い子どもたちに出会えた!

「彼女は、ベストイエナプラングループリーダーの一人よ」校長先生が言っていた。(川崎知子)

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フレーク・フェルトハウズ、 ヒュバート・ウィンタース 著 リヒテルズ 直子 訳

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