第3話 イエナプランは人の暮らしの中にある(リレーエッセイ)

 私は数か月前まで公立の小学校で働いていました。今は仕事を辞め、毎日気の向くままに生活をしています。 
 教育現場を離れた私に何か書けることはあるのだろうかという思いを持ちつつ、教育現場を離れた私だからこそ書けることを、今、感じているままに書いていこうと思います。

 突然ですが、私はお昼ご飯によく卵かけ納豆ご飯を食べます。卵は平飼い卵、納豆は無農薬の大豆を使用したもの、ご飯は無農薬の玄米。このちょっと贅沢な卵かけ納豆ご飯、普通に食べてもおいしいのですが、さらにおいしく食べる方法があるので紹介をしようと思います。

 まず、目の前のご飯をじっと見つめます。つやつやの卵につぶらな納豆、黄金色に輝く玄米。お茶碗の上に広がる小さな自然の美しさに心を躍らせながら、これから自分の一部となるこの小さな自然に『よろしくね』の気持ちも込めて、「いただきます」のあいさつをします。
 次に、お茶碗を持ってご飯の匂いを嗅いでみます。土と緑の暖かくて優しい匂いが身体の中を巡っていきます。その匂いからいろいろな想像を頭の中で巡らせてみるのです。「このご飯はここではないどこかの田んぼで大切に育てられてきたんだなぁ。どんな人がどんな思いで育ててくれたのだろう。そしてどんな人たちの手を渡って私のところまで運ばれてきたのだろう」
 そんなことに思いを馳せながら、感謝の気持ちを持って、いよいよご飯を味わいます。ぷちぷちの玄米にとろとろの卵、だしを身にまとった納豆が味のアクセントとなって、大変おいしいです。
 しかし、それよりもなによりも、五感を思う存分に発揮して世界とのつながりを感じるこの時間が、私にとっては豊かで心を満たしてくれるかけがえのないものとなっています。そしてこれこそが、イエナプランなのではないかと私は思っているのです。

『自分と世界とのつながりを感じる。なんだか世界に興味が湧いてくる。ちょっと世界を覗いてみたくなる。そして、つながりの先にいる人々や生き物たちを思い、幸せを願いたくなる。この世界に住んでいるみんなが幸せになれる方法を自然と考えたくなってくる』

 イエナプランはメソッドではありません。イエナプランは生き方そのものなのです。五感を使って、この世界を感じながら生きる。そんな生活をしていれば、自然とイエナプランになる。イエナプランを学ぶことさえも不自然な気がしてくる。それくらい、イエナプランは人の暮らしに寄り添ったものなのだと、私は日々感じています。(中野 みなみ)

イエナプラン 共に生きることを学ぶ学校
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フレーク・フェルトハウズ、 ヒュバート・ウィンタース 著 リヒテルズ 直子 訳

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