2026年6月5日、ほんの木の40年目が終わり、翌6日から41年目が始まる節目に、ほんの木にゆかりの深い方々が集まりました。
会では、創業の頃からつながってきた人の縁をたどるように、環境運動、市民運動、生活者運動、地域づくり、政治、教育に関わる話が自然に広がりました。
なかでも話題になったのが、1986年の「ばななぼーと」です。これは、農薬や輸入バナナの問題をきっかけに、市民運動や生協、環境団体の人たちが船に乗り、現地を訪ね、食べものと環境のつながりを考えた企画でした。当時を知る参加者からは、「170団体、5200人が乗り込んだ」「市民運動団体のリストをつくったことが貴重だった」という声がありました。インターネットのない時代に、一か所一か所を訪ね、電話や往復はがきでつながりを集めていったことは、ほんの木の原点を思い出させる話でした。
また、「自治会は末端の民主主義」「問うものは学ぶ」「人間、動けば動く」という言葉も印象に残りました。ほんの木は、本を出すだけの会社ではなく、人と人をつなぎ、暮らしの中の疑問を言葉にし、社会の小さな問いを活動へと育ててきた場だったのだと、改めて感じる時間でした。

高見裕一さん(らでぃっしゅぼーや創業者/アース・キッズ株式会社代表取締役会長)
柳田耕一さん(水俣病センター相思社初代事務局長/環境運動家)
矢崎栄司さん(ほんの木設立時役員/編集者・著述家)
井上肇さん(NPO法人結いのき専務理事/地域福祉実践者)
保坂展人さん(世田谷区長/元衆議院議員)
徳江倫明さん(一般社団法人オーガニックフォーラムジャパン会長/らでぃっしゅぼーや共同創業者)
高橋利直(ほんの木代表)
大野拓夫さん(A SEED JAPAN共同設立者/環境政策活動家)
現在のほんの木は、出版と通販を続けながら、教育や対話の場づくりにも取り組んでいます。創業以来、大切にしてきたのは、生活者の目線から生まれる小さな疑問を、言葉にし、本にし、人と人をつなぐ形にしていくことでした。環境、健康、子育て、教育、市民社会など、暮らしに身近いテーマを扱いながら、いまはイエナプランや哲学対話、「問いを立てる教育」へと活動を広げています。知識を一方的に受け取るだけでなく、自分の中に生まれた問いを大切にし、対話を通して学び合う。その小さな場を、学校や地域、家庭の中につくっていくことが、これからのほんの木の新しい仕事です。
40年の歩みを胸に、41年目からは「第2のばななぼーと」の気持ちで、また新しい船出をしていきます。
(ほんの木 高橋利直)

