韓国と日本の歴史を直視する

日韓関係が悪化している。韓国と日本がつながり直すために私たちができることを、歴史をもう一度振り返えることから探っていく。

日韓問題の対立の根本には、歴史認識の大きな違いがあります。
日本軍「慰安婦」や徴用工の問題などを考えるために、日本による朝鮮侵略・植民地支配の歴史的事実を知ることから始めます。

内容
社会運動 No.436
韓国と日本の歴史を直視する

日韓関係が悪化している。日韓関係の悪化の原因のより本質的な問題は、多くの日本人が「韓国は、なぜ今さら
『慰安婦』や徴用工問題を蒸し返すのか。韓国への賠償は決着済みのはずなのに」と信じて疑わない点にある。

第二次世界大戦後、私たちは戦争の「被害者」として自己認識してきた。しかし他方で、日本が「加害者」であったと
いう認識を持っていただろうか。朝鮮半島を植民地にしてきた歴史をどこまで知っているだろう。

朝鮮半島は1948年に樹立した韓国と北朝鮮とに分断され、二国は朝鮮戦争を戦った。休戦後も韓国では日本が
支援する独裁政権が長く続いた。韓国で民主性が定着したのは、1987年6月29日の「民主化宣言」の後、大統領の
直接選挙制が実現してからと言われる。ただしいまも、かつての独裁政権を支持する「右派(親日派)」は影響力を
持ち続けている。
文在寅大統領たち「進歩派(民主派)」が闘っているのは「大日本帝国」を支えてきた韓国内の右派(親日派)政治勢力であり、
韓国市民が抗議しているのは、大日本帝国の植民地政策を「清算済み」とする日本の右翼政治家なのである。

こうした韓国内の政治構造を日本のメディアはほとんど伝えない。
目次
特集 「平和の少女像」が示す希望韓国と日本の歴史を直視する
●韓国の歴史年表
●FOR READERS 「平和の少女像」に込められた想いを考えてみよう
●未来の世代と一緒に歩む平和の少女像

Ⅰ 日韓関係の事実を知っていく
●日本の戦後処理と植民地支配責任
●日本による朝鮮侵略・植民地支配は、なぜ、どのように行われたのか
●朝鮮戦争に対してなぜ日本人は「傍観者」でいられるのか
●民主化運動―社会的公正を希求し続ける人びとの現代史
●戦争と植民地支配の罪と責任 ドイツから何を学ぶのか
●日本軍「慰安婦」―被害を受けた女性たちの話を「聞く」ことから
日本軍「慰安婦」被害者たちの証言
●徴用工―80万人の強制労働の歴史を捉えなおす
●日本のマスコミは、韓国報道に対してなぜ腰砕けになったのか

Ⅱ 歴史認識から未来へ歩き出す
●協同組合がつくる日韓の交流、友好、未来
生活クラブ生協と韓国との交流の歩み
韓日関係、未来を想像してみよう
国境を越えて平和の橋を渡って
韓国と日本が生き残る道は共生共存しかない
●戦争と植民地支配の罪と責任 ドイツから何を学ぶのか ●異なる歴史認識を持つ韓国と日本 どのような対話が可能なのか

●解説コラム
日韓合意/三・一独立運動/光州事件/セウォル号事件/河野談話/女性国際戦犯法廷

●紹介コラム
本 『運命 文在寅自伝』
DVD『安重根伊藤博文を撃つ』
教育プログラム 『キャンパスアジア・プログラム』

連載
●韓国語翻訳家 架けられた橋の上に佇む 第1回
たった一人自分が読むためだけの翻訳もある
●悼みの列島日本を語り伝える第13回
北海道にいまも眠る強制動員の犠牲者たち
著者について
張 建(京畿広州未来の世代と一緒に歩む平和の少女像推進委員会)
板垣 竜太(同志社大学社会学部教授)
庵逧 由香(立命館大学教授)
五郎丸 聖子(日本近現代史研究者)
文 京洙(立命館大学国際関係学部特任教授)
川喜田 敦子(中央大学文学部教授)
渡辺 美奈(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」館長)
竹内 康人(近代史研究者)
永田 浩三(武蔵大学教授)
牧島 佐代子((特非)WE21ジャパンみなみ代表)
金 善和(幸福中心生協組合員)
金 雨(元・ドゥレ生協連合会副会長)
内海 愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
斎藤 真理子(韓国語翻訳家)
室田 元美(ライター)
ISBN
978-4-7752-0120-6
出版年月日
2019年10月15日
判型・ページ数
A5判・200ページ
商品番号 20216

【436号】「平和の少女像」が示す希望
韓国と日本の歴史を直視する

社会運動 No.436
市民セクター政策機構
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