社会運動453号
社会運動453号

あらゆる事をお金で解決しようとする社会の傾向に疑問を持っているすべての人へ。

今の私たちの暮らしを見直し、よりよい暮らしを実現するためのキーワードは「商品価値」と「使用価値」です。とりわけ本書では、「使用価値」の大切さに力点を置き、生活の中でどのように対処していけば良いかを実践例をあげて紹介しています。

内容
社会運動 No.453

商品の本質的な目的は売って利益を上げることにある。
極論を言えば、儲けが増えさえすれば、どんな悪事を働いても、使用価値の低いでも、バレなければ売ってしまえというモラルハザードが生じる可能性を孕んでいる。

もちろん、すべての商品に問題があると言っているのではない。
良心的に生産するメーカー、商品が大多数であるし、不正、不当な商品を消費者が無条件に受け入れるわけではない。

いまでは企業の社会的責任やコンプライアンスが強く求められる時代になった。
しかし、モノそのものが提供、実現する「使用価値」より、いかにして儲けるかが至上命題出ある商品には、生産、流通、消費、廃棄の過程において、非常に深刻な問題を生み出す可能性があるし、現に生み出してきた。

2023年に判明した中古車販売業者の不正事件は、バレなければ儲けるためには何をしても良い、車を傷つけても、自動車保険料が上がっても、そんなことは二の次という「商品」の販売にかかわる事件だった。

福島第一原子力発電所の事故は、以前から指摘された津波の危険性を無視したことで起こっている。安全対策をとらずにコストを下げ、いかに儲けるかが重視されてしまったのだ。人々の生活に不可欠な電気という「使用価値」の提供よりも、電気という商品でいかに儲けるかという「商品価値(交換価値)」が優先されてしまった結果として起こった事故だといえるだろう。
目次
特集:まぼろしの商品社会 ―変革のキーワードは「使用価値」(社会運動No.453)
目次
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●For Readers 未来社会の基礎になる 「使用価値」

Part 1 消費社会批判
●消費社会批判としての消費材
  市民セクター政策機構 理事長 柳下信宏
●現代消費社会の問題点から脱却する途を考える
  名古屋商科大学経営学部教授 矢部謙太郎
●「半市場経済」の構想
  哲学者 内山 節

Part 2 つながるローカルSDGs
●生活クラブの「つながるローカルSDGs」
  生活クラブ事業連合生活協同組合連合会会長 村上彰一
●case① 農福連携 あきる野
●case② ソーラーシェアリング 相模原

Part 3 社会的連帯経済
●脱・新自由主義の一手となる社会的連帯経済
  明治大学名誉教授 栁澤敏勝
●スペイン社会的連帯経済の主役、労働者協同組合
  ジャーナリスト 工藤律子
●資本主義の個別化社会を解体する
  関西学院大学人間福祉学部教授 桜井智恵子
●巨大広告会社が招く民主主義の危機
  作家 本間 龍

書評
●『「消費」をやめる』 加瀬和美
●『コモンの「自治」論』 山崎佐由紀

連載
●フォルケリな日常 北欧の暮らしのなかの政治 最終回
  デンマーク領グリーンランド 続く先住民への差別と偏見
    ジャーナリスト・写真家 鐙 麻樹
●ネット最前線・観測記 ③
  サンリオ=《かわいい?》を奪わせないために
   外国人人権法連絡会 事務局次長・市民セクター政策機構客員研究員 瀧 大知
●韓国の社会的経済と政治 第7回
  次年度予算を大幅に削減 現状復旧を要請する社会的経済の人びと
   城南市協同組合協議会政策委員長・市民セクター政策機構客員研究員 崔 珉竟
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著者について
市民セクター政策機構 編集長 白井和宏
市民セクター政策機構 理事長 柳下信宏
矢部謙太郎
内山 節
村上彰一
栁澤敏勝
工藤律子
桜井智恵子
本間 龍
加瀬和美
山崎佐由紀
鐙 麻樹
瀧 大知
崔 珉竟
ISBN
978-4775201435
出版年月日
2024年1月15日
判型・ページ数
A5判・144ページ
商品番号 20233

【453号】まぼろしの商品社会 ―変革のキーワードは「使用価値」

社会運動 No.453
市民セクター政策機構
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