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サークル対話のすすめ

― オランダ生まれの『てつがくカード(日本語版)』を上手に使うために ― 
日本語版プロモート及び翻訳:リヒテルズ直子


ちょっと珍しい可愛らしいイラストの入ったオランダ生まれの『てつがくカード』。手にとって見られた皆さんの中には「これはおもしろい、明日からさっそく使ってみよう」と意気込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうだとすると、私もとても嬉しいです。

ただ、珍しいものは、初めは気分も高まり意気込んで使ってみるのですが、しばらくすると棚の上で埃をかぶってしまうことにもなりがちです。それでは、このカードがせっかく持っている価値を発揮できないまま消えてしまいそう。『てつがくカード(日本語版)』が、そういう運命をたどることになるのは、なんとも残念なことです。

そこで、オランダの小学校で広く親しまれているこの『てつがくカード(日本語版)』を、日本でも、学校や家庭で、長く楽しく使えるものにするために、私からのアドバイスです。

<サークル対話>には、以下のようなものがあります。


<サークル対話>を長くうまく続けるにはいくつかの基本ルールがあります。


  1. 円座は、できるだけきれいな円形になるように。誰かが発表するときには馬蹄形でも構いません。でも、参加者全員が他の参加者全員の顔を見ることができるように、くぼみや角のない形にしましょう。
  2. 円座になって座る場所は、できれば、いつも決まった場所に用意しておき、いつでもすぐに円座で座れるようにしておく(スペースがあれば簡単な長椅子などを置いておく、なければ、床に円を描いておき、そこに座る、など)
  3. 発言は、自発的であること(教員や進行役は、誰かを名指しして発言を求めることは絶対にしません。それをすると、皆自分の心からの意見ではなく、教員や進行役が期待している発言しかしなくなります。順番に発言させるのもできるだけ避けましょう)
  4. 誰かが発言しているときには、その発言がおわるまでは、他の人は絶対に口を挟まないこと。(サークル対話の大切な目的は、自分の意見を言えることだけではなく、他の人の意見にしっかりと耳を傾け、その人の立場を理解することです。それを促すのはリーダーの大事な役割です。みんなが勝手に隣の人と話をするのが<サークル対話>ではありません!)
  5. 時間に縛られないように。話し合いが活発なときには、可能な限りで時間を延長し、十分な意見交換ができるようにしましょう。また、話すことがなくなったり、意見が出なくなったら、短くても切り上げて次の活動に移りましょう。そうすることで、サークル対話が、つまらない飽き飽きするものになることを避けることができます。

さて、『てつがくカード(日本語版)』は、こうしたサークル対話の一環として使われると大変効果のあるものとなります。なぜなら、『てつがくカード(日本語版)』を使って話をする内容は、誰にとっても、心の深いところからの意見や感情を共有するものなので、普段から信頼関係のある仲間とすることで、本当に思考を深めるための話し合いができるからです。

でも逆に、『てつがくカード(日本語版)』をきっかけにしてサークル対話を習慣づけていくことも可能です。 <サークル対話>に慣れていないグループの子どもたちには、このカードを使うことで、少しずつお互いに意見交換をする習慣が生まれることでしょう。これをきっかけに、前にあげた、いろいろな種類の<サークル対話>を実践することができるようになるかもしれません。


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