人間と原発は共存できない

廃炉処理・食品汚染・訴訟の今・甲状腺検査からみた子どもたちへの影響。現状認識から改めて原発の危険性を問う。

廃炉困難な福島原発、汚染された日本列島、置き場所が決まらぬ放射性廃棄物、核廃棄物の処理方法、山積する問題を何一つ解決しないまま進む再稼働。いま改めて福島と原発の現実に向き合ってみよう。

内容
社会運動 No.429
7年目の今、改めて原発事故後の福島を多方面から取材!原子力が作る不条理な状況から一日も早く逃れるべく企画。
その現実を1冊にまとめました。

例えば……
●多発する甲状腺がん
福島県では多発する甲状腺がんに不安を感じながら生活している親子が多数いるのに、検査体制は不備のまま。
しかも健康を案じることが「復興」の妨げになるとして、その声はかき消されようとしている。(71ページ、崎山比早子氏)
●いまだに把握できていない核廃棄物
政府が描いた廃炉計画は絵に描いた餅でしかなく、現実にはまったくめどが立っていない。
そもそも事故で溶け落ちた核燃料がどこに、どのような状態で存在しているかさえ、いまだに把握できていない。
(54ページ、後藤政志氏)
●分断する被災者の生活
「自主避難者」に対する住宅支援を打ち切った福島県の姿勢は、被災者の生活を分断する。
国や東京電力に対する「賠償請求訴訟」も全国で起きているが、勝訴してもその金額はわずかでしかない。
(115ページ、村田弘氏)
目次
特集 あれから7年、福島の現実
●年表&巻頭写真

Ⅰ 被災地、避難者たちのいま
●FOR READERS 「原発事故によって引き裂かれた日本」
●「住宅支援」打ち切り―区域外避難者の苦悩
●保養という選択肢を用意する意味
●避難指示が解除された飯舘村のいま

Ⅱ 原発、放射能に抗する
●原発は破綻した技術である
●甲状腺検査からみた子どもたちへの影響
●不安を口に出せる場は今後もっと必要になる
●土地と海、農産物・海産物の汚染状況
●不完全な規制基準を基に再稼働が進む日本
●「集団訴訟」を私たちの裁判とするために
●集団訴訟―新たな「安全神話」に抗して
●「東電株主代表訴訟」というもう一つの闘い

Ⅲ 脱原発に向かう未来
●福島の再生可能エネルギー地帯をゆく―会津・土湯・飯舘
会津電力と生活クラブエナジー
映画『おだやかな革命』
●ヨーロッパの脱原発と国民投票
●百年後から視た原子力

連載
●韓国語翻訳家の日々 子育てはつづくよ 第2回
針ねずみも自分の子はすべすべだと言う
●166 悼みの列島日本を語り伝える第6回
甲府の街で出会った戦争
著者について
年表&巻頭写真……野田 雅也(写真家)
吉田 千亜(フリーライター)
疋田 香澄(リフレッシュサポート代表)
大渡 美咲(産経新聞記者)
後藤 政志( 工学博士)
崎山 比早子(医学博士)
緑川 順子(生活クラブふくしま生活協同組合副理事長)
槌田 博(生活クラブ連合会 品質管理部部長)
伴 英幸(原子力資料情報室共同代表)
村田 弘(福島原発かながわ訴訟原告団団長)
甫守 一樹(弁護士)
大芝 健太郎(フリーライター)
おしどりマコ(芸人・記者)
斎藤 真理子(韓国語翻訳家・ライター)
室田 元美(ライター)
ISBN
978-4-7752-0108-4
出版年月日
2018年1月15日
判型・ページ数
A5判・184ページ
商品番号 20209

【429号】あれから7年、福島の現実

社会運動 No.429
市民セクター政策機構
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